2026年8月
iPhoneの通話録音:標準機能のやり方と注意点
iPhoneの電話アプリには通話録音が組み込まれていて、日本はこの機能が使える国のひとつです。アプリの追加も、月額の契約も要りません。ただし仕様ははっきりしていて、録音の開始と終了は必ず双方にアナウンスされ、これを止める手段はありません。保存先も電話アプリではなくメモアプリです。この記事では手順と、実際に使う前に知っておきたい制約をまとめます。
日本では使える。使えない国もある
Appleは通話録音を提供する国と地域を限定しています。日本とアメリカは対象です。EU加盟国では提供されていません。ほかにロシア、トルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、クウェート、バーレーン、オマーン、ヨルダン、イラク、イラン、イエメン、エジプト、モロッコ、ナイジェリア、南アフリカ、パキスタン、アゼルバイジャンでも使えません。日本で買ったiPhoneを日本で使っているなら、まず問題なく表示されます。
よくある誤解を先に一つ。この機能はApple Intelligenceとは別物です。録音そのものと文字起こしは、Apple Intelligenceを有効にしていなくても動きます。Apple Intelligenceが必要になるのは、通話内容をAIが要約する部分だけです。
iPadOS 26とmacOS Tahoe以降では、iPadとMacの電話アプリでも同じことができます。
iPhoneで通話を録音する手順
- 電話アプリで通常どおり発信するか、着信に応答します。録音できるのは電話アプリの通話だけです。
- 通話中の画面で「…」(その他)をタップし、録音の項目を選びます。確認画面が出たら「続ける」をタップします。
- 自分と相手の両方に、この通話が録音されるというアナウンスが流れます。読み上げが終わってから録音が始まります。アナウンスをオフにする設定はありません。
- 停止ボタンをタップするか、そのまま通話を終了します。終了時にも、録音が終わったことを知らせるアナウンスが流れます。
- メモアプリを開き、「通話録音」フォルダを選びます。音声と文字起こしが1つのメモにまとまっています。電話アプリの履歴には残りません。
「録音ボタンが消えた」という声が多いのは、置き場所が変わったからです。iOS 18のころは通話画面に単独のボタンがありましたが、iOS 26では「…」メニューの中に入りました。ボタンが見当たらないときは、まずこのメニューを開いてみてください。
録音はメモアプリの「通話録音」フォルダに入る
保存先は電話アプリではありません。ボイスメモでもありません。メモアプリに「通話録音」というフォルダが自動でできて、そこに1件ずつメモとして入ります。1件のメモに音声プレーヤーと文字起こしの両方が入っているので、聞き直さなくても文章で内容を追えます。
この置き場所には利点があります。メモの検索が本文の文字起こしまで拾うので、「あの見積もりの話をしたのはいつだったか」を言葉で探せます。フォルダごとロックしておくこともできます。
一方で、録音が増えるとメモアプリがそれなりに重くなります。数分の通話でも音声ファイルはそれなりの容量になり、iCloudの容量も使います。定期的に整理するか、必要なものだけ残して削除する運用にしておいたほうが後で困りません。
アナウンスは消せない
ここが標準機能でいちばん大事な点です。録音を始めると、自分にも相手にも自動音声のアナウンスが流れます。終わるときにも流れます。設定アプリにも電話アプリにも、これを無効にする項目はありません。音量を下げても、自分側を消音にしても、相手側には届きます。Appleは、知らないうちに録音される状況が生まれないよう、通知を機能の一部として組み込んでいます。
つまりiPhoneの標準機能では、相手に気づかれずに録音することはできません。この記事では、それを回避する方法や、それをうたう道具の話は扱いません。アナウンスは仕様であって、不具合ではありません。
実際の使い勝手にも影響します。取引先との何気ない電話の冒頭に機械音声が入れば、相手はたいてい身構えます。そこから先の会話は、それまでと同じにはなりません。記録に残したい理由がはっきりしている場面、たとえば契約条件の確認やクレーム対応なら、それでも録音する価値があります。ただ「あとで思い出せるように」という理由なら、割に合わないことのほうが多いはずです。
対応機種の条件はない
Appleは録音機能について、対応機種を別に定めていません。条件になるのはiOSのバージョンだけです。録音は電話アプリの機能として提供され、その電話アプリがiOSに含まれています。
そのため実質的な線引きは「そのiPhoneが対応するiOSに更新できるか」になります。iOS 26が動くのはiPhone 11とiPhone SE(第2世代)以降です。それより古い機種はiOSの更新が止まっているので、標準機能での録音はできません。「iPhone XS以降でないと使えない」といった条件をどこかで見かけても、Appleがそう言っているわけではありません。
日本語の文字起こしは対応している
録音と一緒に文字起こしが作られます。Appleの提供状況の一覧では、通話の文字起こしの対応言語に日本語が入っています。ほかに英語(アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、インド、ニュージーランド、シンガポール)、韓国語、中国語(普通話)、広東語(香港)、スペイン語(メキシコ、アメリカ)、ポルトガル語(ブラジル)が挙がっています。スペイン語もポルトガル語も地域つきで、スペインやポルトガルは入っていません。
文字起こしはメモの中でプレビューから開けます。会話の音質や話し方によって精度は変わるので、そのまま議事録として使うというより、聞き直す場所を探すための下書きと考えたほうが実態に合います。数字や固有名詞は目視で確認してください。
その上に要約の機能がありますが、こちらはApple Intelligenceが必要です。要約が出ないときは、端末とiOSの設定でApple Intelligenceが有効になっているか確認してください。
録音できない通話
対象は1対1の通話だけです。3人以上のグループ通話では録音の項目が使えません。会議の記録に使おうと考えていたなら、この時点で選択肢から外れます。
App内の通話も対象外です。LINE、FaceTime、WhatsApp、Telegram、Teams、Zoomの通話には、iPhoneの標準録音は届きません。これらのアプリ自体にも録音機能はありません。残るのはスピーカーフォンにして別の機器で録るという方法ですが、この場合は自動のアナウンスが流れません。録音することは自分から相手に伝えてください。Androidも含めた全体像は、通話録音のやり方にまとめてあります。
日本の法律とマナー
日本では、自分が参加している通話を録音すること自体は違法ではありません。相手の同意も、法律上の必須条件ではありません。裁判でも、当事者による録音は証拠として扱われてきました。ただしこれは「録音する」ところまでの話です。
問題になりやすいのは、そのあとです。録音した音声を第三者に渡したり、公開したりすると、プライバシーの侵害や名誉毀損として争われる可能性があります。業務で録音を扱うなら、保管の期間と範囲、誰がアクセスできるかを決めておいたほうが安全です。ビジネスの場面では、標準機能のアナウンスとは別に「記録のために録音してもよろしいですか」と一言添えるのが通りのよいやり方です。
なお、この記事は法律の助言ではありません。判断に迷う場合は弁護士に相談してください。国によって前提はまったく違うので、海外の相手との通話では相手側の事情も確認が要ります。
録音ではなく、記録するという選択肢
録音を検討している人の全員が、音声そのものを必要としているわけではありません。あとで知りたいのは、誰と、いつ、何分話して、何を決めて、次に何をするか。それだけなら音声は要りませんし、アナウンスで会話の空気を変えることもありません。
Callventは、私自身の仕事のやり方から生まれました。集中する時間帯は電話に出ないと決めていて、あとで着信履歴を見ながら、都合のよい時間に折り返す予定をカレンダーに入れていました。その手作業をアプリにしたものです。
Callventは、電話を切ったあとにワンタップで、その通話を連絡先・時刻・通話時間・メモ・折り返しリマインダー付きのカレンダー予定にします。音声は一切録音しません。だからアナウンスも流れず、相手はいつもどおり話せます。データは端末内に保存されます。通常の電話に加えて、Apple CallKitを経由するWhatsApp・FaceTime・Telegram・Teams・Zoomの通話も検出します。iOSはアプリに通話履歴を開かないため、検出はCallventが動いている間です。抜けた通話は、アクションボタンやウィジェット、Apple Watch、Siriからその場で記録できます。iOSではアプリが電話番号を取得できない仕組みのため、連絡先はワンタップで自分が選びます。Androidでは、番号がシステムの通話履歴から自動で入ります。7日間の無料トライアルがあります。
紙で残したい方向けには、無料の伝言メモ・電話メモのテンプレートもあります。履歴そのものが消えてしまった場合は、通話履歴の復元を参照してください。
よくある質問
iPhoneの通話録音はどこに保存されますか? +
メモアプリの「通話録音」フォルダに保存されます。電話アプリの発着信履歴やボイスメモには入りません。1件のメモに音声と文字起こしがまとまっていて、メモの検索から本文の言葉で探せます。
通話録音のアナウンスを消せますか? +
消せません。設定アプリにも電話アプリにも、アナウンスを無効にする項目がありません。Appleが機能の一部として組み込んでいるもので、音量を下げても消音にしても相手側には流れます。相手に気づかれずに録音する方法は、この記事では扱いません。
日本でもiPhoneの通話録音は使えますか? +
使えます。Appleはこの機能を提供する国と地域を限定していて、日本とアメリカは対象に含まれています。一方でEU加盟国など、提供されていない地域もあります。
通話録音にApple Intelligenceは必要ですか? +
録音と文字起こしには必要ありません。どちらも電話アプリとメモアプリの基本機能として動きます。Apple Intelligenceが必要なのは、通話内容のAI要約だけです。
グループ通話も録音できますか? +
できません。対象は1対1の通話だけで、3人以上の通話では録音の項目が使えません。LINE、FaceTime、WhatsApp、ZoomなどApp内の通話も対象外です。
古いiPhoneでは通話録音が使えませんか? +
Appleは録音機能そのものに機種の条件を設けていません。条件になるのはiOSのバージョンです。iOS 26が動くのはiPhone 11およびiPhone SE(第2世代)以降で、それより古い機種はiOSの更新が止まっているため使えません。